男性にも生理が存在する!?
実は、私も知らなかったのですが…
男性にも生理があるんです!!
みなさんはご存知でしたか?
ああ、勃起とか射精とかの意味での
男性の生理現象ね??
と思われると思いますが…違うんです!
「月経」と同じ意味での「生理」です!!
男性にも生理や生理周期が存在する
最近、「リリーのすべて」という映画を見ました。
この2015に公開された映画は、
100年近く前に世界で初めて性別適合手術
を受けた、アイナー・ヴェイナーという方と
その妻をモデルにした伝記的映画です。
主人公のアイナ―役は
『博士と彼女のセオリー』
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
でも主演を務めた、エディ・レッドメインという人で
なかなか素晴らしい演技をされていました。
あまりにもリアルだったので、
もともとそういったセクシャリティの
方なのかしら?
と思ったら、プライベートでは
奥さんも子供さんもいらっしゃるとかで、
それだけ演技力が高いという事なんでしょう。
映画の中では、
性同一性障害の方の内面的苦悩と
外的な圧力や弾圧、
そしてそれにも屈せず自身の信念を貫いた
主人公とその妻の愛が描かれており、
久しぶりに良い映画を見たという感じがしました。
その中で、主人公が自分の性別の認識が、
男性から女性へ変化してゆく中で、
心や体の様々な変化が起こります。
その中の症状のひとつとして、
毎月1回決まって激しい腹痛を伴う
出血が起こるようになったそうです。
まるで本物の女性の月経のように…
たぶん、アイナ―があまりにも
女性になりたいと願うあまり、
擬似的な月経現象として、
心因性の出血が起こるようになったんだな…
と私はその時は解釈しました。
でも、映画を観終わった後で、
アイナ―・ヴェイナーについて調べてみると、
その解釈は違ったものになりました。
映画の中では鼻血として描かれていますが、
アイナ―の日記の中にはただ「出血」
と書かれていたようなんです。
また、アイナ―・ヴェイナーは、
何度かの性適合手術を受けたのですが、
その際に腹腔内から未熟な卵巣が
発見されたそうなんです。
一般的に性同一性障害の方は、
心(または脳)と体の性別が一致しない
障害であるとされます。
(体の性別=外性器なのか、
体の性別=外性器と内性器なのかでも、
解釈は分かれますが…)
心が女性であり、体の中には男性と女性の臓器が
両方存在しているということは、
現代でいうところのインターセックス(中性)に
当たるのではないか?と思いました。
つまり、アイナ―は性同一性障害ではなく、
インターセックスの方であるということです。
え?たいして違わないのでは??
と思われるかもしれませんが、
物理的に女性器が体内に存在しているのと、
存在していないのでは、
全く別物だと私は思うんです。
だって女性器が体内に存在していれば、
女性化の理由が、簡単に説明がついてしまうんですもの。
アイナ―の体内で、未熟ながらも卵巣が機能し
女性ホルモンを分泌し、体や心の女性化が起こった。
また、男性の生殖器の中には、
子宮の痕跡と考えられている、
前立腺小室、別名『男性膣』と呼ばれる、
器官が存在しています。
その前立腺小室が刺激され、
子宮内膜のようなものが形成され、
ペニスの先から月経血のようなものが
毎月一定期間排出されるという症状のある
男性も確認されているそうです。
アイナ―の出血が本当は鼻血ではなく、
卵巣から分泌された女性ホルモンの働きによる、
前立腺小室からの出血であったとしたら??
それは気の迷いとか精神疾患ではなく、
早急に手術したほうが良い、
いや手術すべき『体の疾患』ですよね?
アイナ―は生まれつきの
性染色体もXXYなどで、
精巣と卵巣の両方が存在した
という可能性もあります。
そういった科学的に明確に
因果関係がはっきりすることならば、
悩んでいる暇はない!手術だ!!
その結果として「世界初の性適合手術」
ってなったのが、すとんと納得させられます。
わき道にかなりそれてしまいましたが、
『男性の生理』と聞いて即座に思い出したのが、
アイナ―・ヴェルナーと前立腺小室由来の出血
だったものでつい…
アイナ―は生まれつきのインターセックスという
障害によって、そういった異常が体に表れていた
訳です。
しかし、これから紹介する「男性の月経」は
すべての一般的な男性の体の中で起こっている
症状なんです!!!
男性の生理のメカニズム
男性の月経のメカニズムを理解する前に、
まず女性の月経のメカニズムを
おさらいしましょう。
女性は、妊娠に備えて子宮内膜を肥厚させ、
妊娠に至らなかった場合は、
その子宮内膜を排出する(月経)という事を
約1か月間の周期でくりかえしています。
その際に、その周期に合わせて骨盤が、
排卵の時期には閉じ、月経の時期には開きます。
その理由は、妊娠可能な排卵の時期は
精子を子宮内にとどめておきやすくし、
月経の時期は子宮内膜を排出しやすくする為
と考えられています。
この骨盤の開閉は、女性ホルモンである
卵胞ホルモン(エストロゲン)の量の
変化によって、起こると考えられます。
この骨盤が開閉する際に、
骨盤自体のゆがみなどで、
開閉が上手くいかないと、
女性ホルモンの乱れにつながると
言われています。
骨盤矯正が月経不順や月経困難症、
不妊やPMS(月経前症候群)の改善に
効果が見られるのはそのためだと考えられています。
ホルモンが分泌されるから骨盤が開閉するのか、
骨盤が開閉するからホルモンが分泌されるのか??
卵が先かニワトリが先かっていう話に
なってしまいますが、
ホルモンと骨盤の開閉が相互に
作用しているのは間違いないでしょう。
実はこの生理周期に合わせた骨盤の開閉が、
じつは男性にもあるんです!!
え??男性には生理自体がないじゃない??
確かに、男性には子宮も卵巣もありませんし、
子宮内で子宮内膜を肥厚・排出という、
働きもありません。
先ほども記載したように、
男性の中にも、何らかの内分泌異常などの疾患で、
前立腺小室(男性膣)内に、子宮内膜様の分泌、
さらに出血をする方もごくまれに存在するそうですが、
それはあくまでも疾患です。
けれど、男性の骨盤は、
女性の生理周期とまったく同じように、
28日前後の周期で開閉を繰り返しているんです。
そしてその周期に合わせて、
2週間づつに分けて
①骨盤が閉じている=キラキラ期
②骨盤が開いている=生理前のPMSの時期+生理
に当てはまる、心や体の変化がみられるそうなんです。
男性に置き換えると
①骨盤開=性欲が高まり、意欲的、充実期
②骨盤閉=性欲減退、イライラ、だるい
という症状が表れるそうなんです。
また男性の生殖器の中では、
②の時期は精子の生産量が落ち、
睾丸に張りがなく重量も軽くなる
そうなんです。
なので、男性の骨盤周期の別名を、
「睾丸周期」といったりします。
男性の生理について、
ちょっと夫にも話してみたら、
けっこう”あるある”だったらしく、
驚きながらも納得をしていました!!
この骨盤の開閉は、女性ホルモンの
エストロゲンによって引き起こされている
と考えられています。
でも、男性には女性ホルモンを分泌する
卵巣がないのに、どうして骨盤の開閉や
心や体の変化がおこるの?
と不思議ですよね・・・
じつは、女性ホルモンのエストロゲンは、
卵巣だけでなく副腎や脂肪細胞からも
分泌されていて、
卵巣がない男性の体の中でも、
女性の約半分の量のエストロゲンが
分泌されているんですって。
そしてそのエストロゲンが
男性の体の中でも分泌されることで、
骨盤の開閉や心や体の周期的な変化が
起こっていると考えられています。
周期的な生理前のイライラや気分の落ち込み、
体調の悪さなどの不調は、
女性だけのものではなかったんです!!
確かに、妙にイラついている男子中高生とか、
中年男性とかっていますよね??
自転車を蹴倒したり、
悪態をついたり、
ずーっと文句を言っていたり…
でも、そのイライラの原因が、
女性の生理前のイライラと同じ理由
って考えるとちょっと同情できるというか
ほほえましいというか・・・
「男性の生理」を利用しましょう
男性にも「生理」があるっていう事、
納得していただけたでしょうか?
「へえーそうなんだ!」
って思っていただけたなら、
もう一歩踏み込んで、
この「男性の生理」を利用して
あなたの生理前のつらい症状を
男性にも理解してもらいましょう!!
「ああ、生理痛?PMS??
俺、男だしよくわかんないから」
って他人事の彼氏や旦那さんこそ、
効果が期待できると思います!!
伝えるのに効果的なのは、
男性が…
「なんか最近だるくて元気でない。。。」
「ごめん今夜はちょっと勃たない」
「ごめんさっきのは言い過ぎた、
なんかイライラしてて。」
という時です!!
優しくなぐさめながら、
「男性の生理」について伝えてみましょう。
そして、イライラ・体や心の不調・性欲減退は、
生理前のPMS(月経前症候群)と共通するメカニズムで
起こっていて、「それは仕方のないことである」と、
寛容な態度で接しましょう。
そうして、逆にご自身がPMSでつらい時に、
男性にその場面を思い出してもらい、
「仕方のないこと」であり、
寛容な態度で接すべき、
というか私は接したよね!?
っと、鬼の首をとったがごとく(笑)
協力や理解を仰ぎましょう。
パートナーや周囲の男性に
理解があるか理解がないかで、
生理前のPMS(月経前症候群)の
つらさはかなり変わります。
あなたも、「男性の生理」を利用して、
生理前のPMSのつらさを理解してもらいましょう!